易と唯識のおおらかな肯定主義
易の吉凶は、おみくじのようないい悪いではなく、四季の変化、月の満ち欠けのように、単なる変化の過程に過ぎないという考え方があります。
そして唯識の根本的な考え方の一つである阿頼耶識は、すべての経験や思考などをただただ溜め込むだけの場所。
そこには、宗教的な善悪や後ろめたい感情などは一切ありません。
いいことを続ければ、そこはいいことをした香りに包まれ、結果的に行動や思考にいいことが立ち上がってくる。
逆に悪いことを続ければ、悪いことが立ち上がってくる。
私には、易や唯識には、おおらかに人生を全面肯定する肯定主義が貫かれているように思われてなりません。
二つの考えに触れることで、少し生きやすくなるんじゃないかと考えているのです。
このことはブログにも書いています。
心地よく生きる考え方
唯識では、思考や行為が全て「種子(しゅうじ)」として深層心理のアラヤ識に溜まって行くと考えます。
そして、それらが良いことであれば良い香りを、悪いことであれば悪い香りを醸し出す、というのです。これを「薫習(くんじゅう)」といいます。
その結果、その人の思考や行為は、「現行(げんぎょう)」といって、その香りに影響されたものになる。
つまり良いこと、心地よいことをやって行けば、そのような生き方になって行く。
とはいうものの、生きていればいろいろなことがあります。そう簡単には行きません。
そこで私は、日頃からできるだけマインドフルネスの「今ここ」を意識して、ゆっくり呼吸をして、落ち着いていようと思っています。
そして日常の思考や行為は、易に倣って中庸に、極端に走らないように、心がけています。
例えば「苦節十年」という言葉がありますね。
これは易から来ていますが、本来は、苦しみを伴うような極端は避けるように、という意味なんですね。
上記についてもう少し詳しい説明
私は子供の頃から神経症で悩んでいました。
改善するためにいろいろ試してきましたが、自分では易と唯識とマインドフルネスが効果がありました。
私と同じように悩んでいる方の参考になればと思い、このサイトを立ち上げました。
易
易は英語で「The Book of Changes(変化の書)」と呼ばれています。
季節に四季があるように、月に満ち欠けがあるように、人の運気も変化すると考えるのです。
私は易の学習を兼ねて、今日の運気や来年の運気を占いますが、凶が出てもあまり気にしません。次に吉が巡ってくる前の時期と考えているのです。
唯識
唯識は仏教の一派で、仏教の深層心理学と言われています。
孫悟空の三蔵法師が天竺に行った目的が、唯識の経典を求めるためだったとか。
唯識では発言したことや行動したことが、逐一深層心理に「種子(しゅうじ)」という形で蓄積されて行くと考えます。
そして、その人の次の発言や行動は、蓄積された種子に影響される・・・。
ですので私は、易やマインドフルネスで心穏やかに暮らしていれば、発言や行動も穏やかなものになる、なればいいな、と考えているのです。
マインドフルネス
マインドフルネスは、呼吸を整え「今ここ」に意識を向ける仏教の方法です。
私は今まで坐禅や瞑想の入門書を買って、自分なりに試してきましたが、このマインドフルネスが一番心を落ち着ける効果がありました。
本を読んで、毎日少しずつ実践しているだけですが、続けていれば、どんな状況になっても心を支えてくれるように思っています。
一休さんと易を学ぶ
一休さんは臨済宗のお坊さんで易経とは関係ありません。
(勉強熱心な方なので、学ばれていたかもしれませんが…。)
しかし易を語る上で、一休さんほど適した方はいないと思うのです。
易は64の卦(か)と各卦に対して6つの爻(こう)があります。
最初の爻は庶民、5番目は王様、6番目は隠者、2番めから4番目は低級官僚から高級官僚まで、などという例えもあります。
一休さんは、その全部に通じていますよね。
三蔵法師と唯識を学ぶ
西遊記でも有名な三蔵法師が天竺に行った理由…。
それは、主に唯識仏教の経典を求めることにあったようです。
私は物心ついた頃から神経症で悩んでいて、心のことがもっと知りたいと思っていました。
しかし当然ですが、「心の構造はこうなっているよ」と説明してくれる本もありませんし、そんな人もいません。
そんな中で、偶然唯識仏教に出会ったんですね。
唯識仏教に出会ったおかげて、心はかなり落ち着いたと思います。
なので、私と同じように悩んでいる方に、唯識仏教をお伝えできたら…と思った訳です。
ただ、説明するにはちょっと難しいし、説明文だけを並べても味気ない。
そこで、三蔵法師と西遊記の登場人物とともに、唯識仏教を学んで行けば興味を持って続けられるのではないかと思いつきました。
URLをichingalaya.com にした理由
ブログのこの記事に書いています。
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2020年2月8日