猪八戒が浮かない顔をして、何やらブツブツ言っています。
おいらは天から落ちたときに豚の腹に入ったものだから、こんな姿になって苦労しっぱなしだ。
もっとかっこいい生き物の腹に入っていたら、いい思いができただろうになぁ。
八戒、そんなこと言うもんじゃありませんよ。
私たちが天竺にいただきに行く唯識のお経の中に、菩薩が修業によってどのように変わって行かれたかが書かれた章があります。
その中に、「現法楽住」という言葉があるのですね。
今の境遇の中に楽しく住むという気持ち、それが大切なのです。
以前にもお話ししましたが、私たちにの無意識には、経験や思いなどがすべて蓄積されるところがあって、そこから今の自分ができている。今の境遇ができている。
いくら不平や不満を言っても、それはすべて過去の自分が作り出したものなんです。
たから今の境遇の中に、楽しく住むしかないのですよ。