三蔵「人の心の動き、心所の中でも大事なものをお話していますが、善という分類にも信という大事な心所があります。
心を清らかにしていく。そのような心を人は持っていると言うんだね。不信であれば人間関係も成り立たないでしょう。
ただ仏教なので知恵が必要です。知恵でもって、そのような心があることを理解していくのです。
そして理解したら、あとは仏様におまかせする。それが信という心所です。
中国に易経という書物がありますが、その中に風沢中孚(ふうたくちゅうふ)という卦があるのです。
この孚という字は”まこと”、すなわち”信”であるとの説明されているんだね。一点の曇りもないまこと。
その意味では、信の心所と通ずるものがあるんじゃないかな。」
一同「俺達の心にも信はあるんですかね?」
三蔵「どんな人の心にも信はあるんだ。」
一同「お師匠様、なんか目が泳いでますよ。」