桔梗屋の番頭さんが、いつものお届け物をもって一休さんのところへやって来ました。
番頭「一休様、今月のお米とお酒をお持ちしました。」
一休「いつもすまんのう。ところで、易の勉強は進んでおるかの。」
森女「あら番頭さん、易を学んでいるのですか。」
番頭「はい。一休様に教えていただいているのです。
先日は水地比、人様と親しむという卦を教えていただきました。
そしてその三爻に、そのようなときに遅れてくる者は何か魂胆があるということ。
昨日は天地否、天地が交わらない、物事がうまくいかないという卦。
そしてその五爻は、そのようなときにやっと光が見えてきた。
しかし、「それ亡びなんそれ亡びなん」と自戒しながら、油断せずに進めと。
本当にその通りだなぁ、といつも感心します。
今まで失敗ばかりしてきましたので、若いときに易を知っていればな、と後悔しております。」