虎と戦ってもボロボロになるだけじゃよ

一休さん一行が近所の飯屋の前を通ったところ、ちょうどおみっちゃんが接客をしている最中でした。

一休「おみっちゃん、何だか疲れ切った顔をしておるな、大丈夫か?」

おみつ「また、おとっつぁんと激しくやり合っちゃって・・・。」

一休「おとっつぁんも癇癪持ちだからのう。」

おみつ「あたしも、ついカッとなって言い返すからいけないんでしょうけど、何とか穏やかに過ごせる方法はないものでしょうか。」

一休「お釈迦様は、理不尽な物言いをする者や喧嘩腰の態度の者には、ただ黙ってそれを受け取らないようにしなさい、それはその者に返って行くから、とおっしゃっているな。

そうやって穏やかな心を保つことができれば、普段通り接すればいいのじゃよ。」

おみつ「なるほどねー。」

一休「易には、虎のような強剛な者に対しても、礼を持って接するならば、誤ってその尾を踏んだとしても、危害を加えられるようなことはない、という教えがあるんじゃよ。」